切断の誠実さ
装飾のための切断はしない。すべての面は機能と美の両立のために存在する。
Atelier · 工房
torenzoqは時計を売る商館ではなく、銀座の静かな二階で「断面」の哲学を磨き続ける製造工房です。
創業者アントニオ・トレンツォは、イタリア・ソリートの時計学校を卒業後、東京に渡りました。当時の銀座は、高度成長の熱気と、職人の矜持が交差する街。彼は小さな工房で、ベゼルとラグの接合部に斜めの面を入れる技法を試行錯誤していました。
それは単なる装飾ではありませんでした。光の入射角を変え、文字盤の視認性を高め、着用者の手首の動きに応じて表情を変える——時計を「彫刻」として捉え直す試みだったのです。
「削ることで、時間はより鮮明になる(Tagliando, il tempo diventa più nitido)」——この言葉が、今日のtorenzoqのミッションの原点です。
精密機械の中に、彫刻家の眼差しを宿す。
私たちは、量産と職人技のあいだに立つ少数派のメゾンです。年間仕上げ本数は847本に制限し、一本一本に職人の署名を刻みます。デジタルツールは設計の補助に使いますが、最後の仕上げは必ず人の手と目で行います。
お客様には、所有する喜びだけでなく、「なぜこの角度なのか」「なぜこの厚みなのか」を理解していただきたい。それが、torenzoqのサロン文化の根幹です。
装飾のための切断はしない。すべての面は機能と美の両立のために存在する。
工房の刻印は品質の証。5年保証は、職人が自分の名に賭ける覚悟の表れ。
売り込まない。語りすぎない。お客様のペースで、時計との出会いを設計する。
銀座3丁目の小工房で、斜めベゼル切削の研究開始。
初の自社ブランドモデル。欧州輸出開始。
銀座ファイブ2Fにプライベートサロンを開設。
実験コレクションと光学室を新設。
トレンツォ・クエスト代表就任。デジタル工房へ。
研磨職人3名、組立技師2名、デザイナー1名、サロンスタッフ2名——計8名の小さなチームが、年間847本の仕上げを担います。外部には頼らず、すべての工程を銀座の工房で完結させることを誇りとしています。
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